当時ユダヤ人は、モーセの律法には行うべき248の命令と、365の禁止事項、合わせて613の戒めがあると教えられておりました。これらの律法は「道徳律法」、「祭儀律法」、「司法律法」に分類されました。「道徳律法」とは、モーセの十戒のうち、「安息日」を除いた9つのもので、全人類の心に記されているものです。「祭儀律法」は「レビ記」などにある祭司職、犠牲、儀式、しるしなどの規定です。また「司法律法」は生活律法であります。パリサイ人の悪意に満ちた質問に対し、主イエス様は申命記6:54と、レビ記19:18の言葉を引用されて、律法全体を2つに要約されました。それは『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい』、『隣人を自分のように愛しなさい』というものです。大切なことは、キリストによって「祭儀律法」と「司法律法」は完成された(マタイ5:17)ということです。従いまして新約の福音の時代を生きる私たちは、律法の束縛から解放されているのです。キリストに在る恵みに生かされていることを感謝しつつ、神を愛し、自分を愛し、隣人を愛するという「3つの愛」に生きているかを自己吟味しましょう。
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