2009年3月1日

あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあながたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。ヨハネによる福音書13章34節

メッセージ

 私たちがこの世に生きる時、この世の法律や規則を遵守しなければなりません。同様に私たちは、神の国に招かれている者として、キリストの戒めを守り、実践することが求められております。

主イエスが「新しい戒め」と言う時、「古い戒め」とは何でしょうか。それは『自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。』(レビ記19:18)であります。つまり自分を愛するのと同じように隣人を愛しなさいということです。この愛の上にキリストによる「新しい戒め」が」あります。それは『わたし(=キリスト)があなたがた(=私たち)を愛したように、あなたがた(=私たち)も互いに愛し合いなさい』というものです。イエス・キリストは「洗足の業」を通して謙遜な姿、仕える者の模範を示され、私たちにも足を洗い合う(赦し合う)ことを教えられました。そして十字架で愛と赦しを実践されたのです。私たちはこのキリストの「十字架の愛」、「自己犠牲の愛」を知っています。しかし大切なことは、この愛に生き、愛を実践する(Tヨハネ3:16〜18)ことにあります。

私たちの愛(エロース)を考えてみましょう。それはまず「Because Ofの愛・〜だからの愛」です。あの人は自分にとって良い人です。<だから>愛しましょう、というものなのです。次に「Ifの愛・もし〜ならばの愛」です。<もし>あの人が私に〜<ならば>愛してあげましょう、というものになってはいないでしょうか。この2つは共に「条件付きの愛」です。しかしキリストの愛(アガペー)は「無条件の愛」です。言い換えれば「In Spite Ofの愛・〜であるにもかかわらずの愛」であります。このような私<にもかかわらず>愛してくださるのです。

キリストのご受難を覚える「レント」のこの時、「愛と赦しの共同体」(キリストの体なる教会)を形成する私たちは、キリストの十字架を想起する中で、この「新しい戒め」に生きていきたいと願っております。

東間 克美