21章の記事はヨハネ福音書にのみ記されているもので、復活の主の3度目の顕現の出来事です。ペテロたちは以前の職業であります漁師に戻って、ティベリアス(ガリラヤ)湖で漁をしておりました。そこへ主イエス様がご自身を現されました。
ここで注目したい言葉があります。それは「炭火」というものです。実は「炭火」という言葉は前にも出てきました。18章18節をご覧ください。この箇所でシモン・ペテロは、大祭司の屋敷の中庭に入り、炭火にあたっていました。そのときペテロは主を否んだのです。
今、湖畔には十字架の苦難に勝利された復活の主が立っておられます。主は炭火を起こして弟子たちのために朝食を用意されました。「炭火」を見たペテロはどのような思いになったのでしょうか……。「あの時も炭火があり、そこで自分は主を裏切ってしまった」……。様々な否定的な思いが彼の心の中を交錯していたことでしょう。
主イエス・キリスト様は、同じシチュエーションを設定される中で、カウンセラーとしてペテロの心のいやしをされたのです。「わたしを知らないと言ったペテロはもういません。わたしはあなたを赦し、あなたの魂をいやしました。だから今からわたしの牧の羊を養うペテロになりなさい」。こうして21章後半(次週解説)の有名な出来事につながっていくのです。
真のカウンセラーでありますイエス・キリスト様は、私たちの人生においても様々な状況設定をしてくださり、魂の疲れを覚える私たちに本当の「心のいやし」をしてくださるのです。ハレルヤ! |