2009年5月10日

イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ヨハネによる福音書21章15節a

メッセージ

「炭火」という状況設定(先週の解説を参照)でペテロの魂をいやされた主イエス様とペテロの対話が記されている有名な箇所です。
イエス・キリスト様はペテロに対し「わたしを愛しているか」と3度お尋ねになりました。よく言われることはペテロが3度主を「知らない」と言ったので。主も3度聞かれたというものです。原文のギリシャ語では、主が言われた2度の「愛する」は「アガパオー」(アガペー…神の愛・キリストの愛)で尋ねられました。これに対しペテロが「愛します」と答えたのは「フィレオー」(フィリア…兄弟愛)で」ありました。このようなペテロに対し主は3度目に「フィレオー」でお尋ねになり、ペテロの応答も同じでした。

イエス・キリスト様は「神の愛、つまりわたしがあなたを愛している愛をもって、わたしを愛しますか?」と問われたのに対し、ペテロは「自分自身の最善を尽くして主を愛します」と答えたのです。そして3度目に主は「では、その最善の愛でわたしを愛しますね」と言われ、ペテロのありのままを受け入れてくださったのではないでしょうか。

主の問いかけに対しフィレオーの愛でしか応答できなかったペテロですが、主は大きな使命を託されたのです。それは『わたしの小羊を飼いなさい』、『わたしの羊の世話をしなさい』、『わたしの羊を飼いなさい』というものでした。これらはみな同じ意味で「キリスト者の群れを牧し養う」(今でいう教会の牧師)という使命です。

私自身、来年の春にはこの使命を主から託され遣わされて行きますが、このみことばを黙想する中で主から「3つのチャレンジ」を受けました。それは@献身へのチャレンジ、A従順へのチャレンジ、B使命へのチャレンジであります……。

「ヨハネ福音書」のみことばメッセージは今回で終わりますが、私たちは汲めども尽きない主イエス・キリスト様の福音の真理(4章)を自らの人生の礎にしたいと思います。さらにいつもキリストと堅く結びついて(15章)、キリストから尽きぬ愛と平安をいただきたい(13・16章)と願っております。
次週からは「ローマの信徒への手紙」(ローマ人への手紙)をご一緒に味わってまいりましょう。

東間 克美