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アカ族のクリスチャンたち捜真バプテスト教会教会員 勘田義治「どんな宗派の名札をつけていようと、キリストにおいて兄弟姉妹である私たち、アカ族は 自分たちの家で仲間意識を分かち合い、食事をともにするためにお互いを招待し、近所の人や家族が病気になれば一緒に祈る。」 アカ族教会牧師 ヤ・ジュ・チェルマー |
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長い旅に出発しようとするなら、誰もがある程度準備をし、計画をたてなければいけません。新しい目的地に向かって旅に出る人は、旅程のガイド、地図、食糧、夜間に必要な何らかの光、そして旅行先の土地に関する規則や法律の知識をある程度必要とします。しばしば、渡航許可も必要となるでしょう。それが巡礼の旅ならなおさらのことです。 詩篇119編は、神の言葉はクリスチャン巡礼者のすべての必要を満たし、その人にイエスの道を歩ませたもうという。神のことばは私たちに日々の導きを与えます。それはまるで私たちが夜道を照らすトーチを持つかのように。 神のことばは私たちを罪から守り、あるいは誤りの道を選ぶことから守り、そして悔い改めへと導く。悲しみや病の時、または死別の時には慰めを、迫害の時には力を、疑いを感じる時には救いの確信を与える。弱き者を強め、恐れる者には勇気を与え、生まれたばかりのクリスチャンには恵みとその霊性において成長させ、若い信仰者を成熟に至らせる。聖書が何を語っているか、その知識は私たちが天の故郷に着く日まで、永遠のいのちの小道を歩ませる確かなガイドとなるのでしょう。 教会の歴史において、この300年の間、多くの人がいのちを捧げ、また彼らに与えられた聖霊の賜物をすべて用いて、世界の隅々にまで伝道の足をのばし、世界中の人々のことばに聖書を翻訳しています。19世紀、アメリカンバプテスト宣教師アドナイラム・ジャドソンは、ビルマの信仰者たちが、特に「山岳少数民族」といわれている人々が、神のことばを彼ら自身の言語で読むことができるように、まずビルマ語、それから各民族の言葉に翻訳し、そしてその教えを山奥の隅々にまで伝えることに人生の大半を費やしました。 1969年の乾季に、ある伝統的なアカ族の一家はついにアニミズムからキリスト教へ改宗を決め、自分たちの心の中にある精霊の象徴としての祭壇を焼き払いました。この一家の家長は病気でこれまで3人の妻を亡くし、彼の年老いた母親は長い間、息子がクリスチャンになることに反対していたのです。しかし、いまや彼女は彼に言った。「私はクリスチャンを見てきた。彼らは善い生活をしているが、私の息子たちは阿片を吸っている。彼らはアカ族の法にも習慣にも従って生きてはいない。お前は行け、私も来年にはお前の後を追っていくだろう。」2008年現在、クリスチャンになった母親は既に神の御許に召されたが息子は教会組織での重要な役割、その多くは未踏の地への開拓伝道であるが、を夫婦で担い、孫たちは村の聖書学校ですくすくと育っています。 |
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1987年、タイ国内で最初のアカ族の教会は記念すべきジュビリーを迎えました。その式典において、イエスについての「良き知らせ」をそれまで耳にしたこともなかった山奥の人々に届けるために何千キロもの道を歩いてきた働き人への感謝と祈りとともに、その働き人の功績を追憶することができました。それはカレン族、ラフ族そしてタイ・ヤ族( 中国雲南省)、アメリカ人、オーストラリア人、スイス人、インド人、スコットランド人などが、イエスの道についてのメッセージを携えて、黄金の三角地帯の山中をアカ族の村々へと通ったことに感謝する礼拝でした。 聖書には、予言者イザヤが言う「いかに美しいことか 山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え 救いを告げ・・・」( 52章7節)またローマの信徒への手紙で、使徒パウロもユダヤ人への福音( 10章15節)を示す記述をする際にこの一節を引用しています。タイ国内で初めてアカ族の教会が誕生生して以来、アカ族のクリスチャンもまた、遠くの村々を訪ねるときはいつでも、自らの家を捨て、自らの時間も資力も全て捧げてきました。現在いずれも8 0 代にもなった、ジャドソンの教えを直接受けた各民族の末裔たちは、今日に至ってもタイとビルマの国境山岳地帯を行き来し、イエスの福音を伝えるために、信仰者を導き、集落の村に小さな教会を開く働きに尽力しています。 2012年にはヨベルの歳を迎える彼らは今、先祖代々大切に受け継がれてきた伝統や風習と、迫り来る近代化の波の間を行き来するような日々を送っています。新しいものを受け入れざるを得ないというジレンマの中にあって、人々が伝統を守り続けるということは、そのキャラクターの強烈さと人々の知恵を表わしているのかも知れません。この50年間に、多くのアカ族が改宗し、より信仰心をもって主に仕えること、神が自分たちに為すべきと求めていることに従うことを、彼らは自らに誓ったのです。 関連記事 おちぼ113より アカ族の村に行ってきました |
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