主日礼拝
2月22日(日) 午前10時30分より
説 教:「一つの群れになる」
聖 書:詩編23章1-6節
説教者:佐藤和久師
1節に〈主は羊飼い〉といわれます。羊飼いと羊の比喩はイスラエルにとって最も自然な表現です。彼ら自体半遊牧民族であり、こうしたイスラエルの歴史背景からも、旧約聖書が神様を羊飼いとして表現することは最も自然であったと言うことができます。しかしここでは、牧者たる神様とその民一般との関係ではなく、「主は羊飼い、わたしには…」と言って神様と詩人個人のこととして関係が告白されます。神様の民ということだけで、表面的に多数の中に解消されてしまわない信仰の自覚があります。神様を羊飼いとして表すことは同時に人間(ここでは詩人)を羊にたとえることを意味いたします。1b〈わたしには何も欠けることがない〉。イスラエルの歴史を通じて主が羊飼いであったとき、彼らは乏しくありませんでした(申2:7)。民族も国家も隆盛を極めました。砂漠のただ中で、羊飼いによって「何も欠けることがない」羊の姿は、この殺伐荒涼とした人生において、まさに神様から豊かなものを与えられる詩人の姿そのものです。
2節〈青草の原…水のほとり〉は、羊の生命を支えるもので、詩人にとって、それが霊的に何を意味するかは明らかにされていませんが、それは日ごとの糧であり、家庭でのまた個人の祈りと聖書の学びであり、教会での礼拝や、社会での奉仕であり、あらゆる神様の祝福です。物質的、精神的な神様の祝福はなすべき仕事のために新しい力をもたらしてくれます。
2b〈憩いの水のほとりに伴い〉。「ワデイ(集中雨によってできた川)の中に残った小さな水たまり」のことです。〈伴い〉は「導く」の意味で、羊飼いはいつも羊の先頭に立って導いてくれます。
3〈魂を生き返らせてくださる〉。生命の活力を呼び戻し、たましいを平静にする御業のことです。困惑や、悩みの最中に、平静が与えられることは、文字通り「生かされる」ことに通じます。
4a〈死の陰の谷〉を「暗黒の谷」と読むこともできます。「死の陰の谷」を通過してもそこに恐れがないという確信は、〈あなた(神様)がわたしと共にいてくださる〉力です。
4c〈鞭〉は先に鉄の金具の付いたこん棒で、獅子や狼を追い払うために羊飼いが用いました。〈杖〉は曲った柄のついた杖で、山道を歩く時の体の支えであり、夕方になって羊を檻に入れる時に羊を数えるためにも用いられました。そこにある「わたしの」という小さな言葉はヘブライ語では一つの独立した単語ではなく、「牧者」「羊飼い」という名詞の語尾にすぎないのですが。実に重要な語尾です。
「主はわたしの牧者である」ということは「主はわたしの牧師である」ということでもあります。なぜならば「牧師」は「牧者」のラテン語からきた言葉です。
1~3節で、詩人は三人称で「主」と神様に呼びかけています。彼は生命の危険にさらされた経験を語り始める時、いっそう親密な思いで、二人称「あなた」と呼んでいます。人生の厳しい経験において、天の牧者だけが最後まで共に行くことができる。死の陰の谷を通って行く時に、このことはとりわけ真実です。
主はわたしたちの羊飼いです。弱く迷いやすい、よるべない私たちのために、神様は御独り子イエス・キリストをおつかわしになりました。主イエスは私たちのもとに来られて、はっきりと宣言され「わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる」(ヨハネ10:11)と言われ、ほんとうに私たちの罪 咎を負って、私たちのために死んで下さったのです。このキリストの死と復活によって、私たちは、天にある神様の牧場 永遠のいこいのみぎわ(パラダイス)へと導かれるのです。
私たちもこの悲しみの淵で、羊飼いなる主のみ声に耳を傾け、その導きに従って「正しい道」(3b)へと導かれたいと願います。そして主に召される時、先に召された方々と共に天の牧場
御国で再会し、「一つの群になる」(ヨハネ10:16)ことを祈り求めましょう。羊飼なる主は、今も私たちと共にいて、私たちを守り導いて下さいます。
※礼拝視聴にはパスワードが必要となります。お申し込みは こちら
画面内のフルスクリーンをクリックすると全画面になります。escキーで元に戻ります↑
Tweet
前 奏 - 喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ - J.S.バッハ
招 詞 ヨハネによる福音書 第10章16節
賛 美 21-28
主の祈
交 読 文 交読詩編 第100編
賛 美 21-120
分かち合い
賛 美 - 深い傷と流れる血に - 聖 歌 隊
聖 書 詩編 第23編1-6節 (新共同訳旧約 854頁)
祈 祷
黙 想 - 喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ - J.S.バッハ
説 教 「一つの群れになる」 佐藤 和久 師
祈 祷
賛 美 21-461
献 金
感謝祈祷
賛 美 21-29(アーメン)
祝 祷 小野 慈美 牧師
後 奏
〒221-0804
神奈川県横浜市神奈川区栗田谷42-43
TEL 045-323-2967
FAX 045-323-3979