11月1日 午前10時30分より
メッセージ:「赦されたから赦します」
聖書:マタイによる福音書6章11節
説教者:小野慈美牧師
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「わたしたちの負い目を赦してください、わたしたちも自分に負い目のある人を赦しましたように」(12)。この祈りは自分にも責任が伴うので、祈ること自体に難しさを覚えます。さらに「もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない」(15)と続きます。厳しい言葉ですが、そこには、既に赦されているという大前提があるのであり、この大前提を示しているのが、マタイ18:21-35です。
1)赦すことができるのは、赦されているから
「兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」「七回どころか七の七十倍までも赦しなさい」(マタイ18:21-22)。ペテロの問いは、どれだけ我慢すればよいのかというものでした。しかし、我慢して数えることは、赦していないことです。「七の七十倍」とは、我慢するのではなく、赦しなさいということです。そして、主イエスは三幕からなるたとえを話されました。
①一人の家来が、王様から一万タラントンの借金を帳消しにしてもらった。
②その家来が、仲間に貸した百デナリを取り立てようとしたら返せなかったので、仲間を牢屋に入れた。
③その話を聞いた王は、赦してやった家来をもう一度呼んで牢屋に入れた。
第二幕は、現実世界を表しています。百デナリオンは約百万円。家来のやり方は当時行われていたことのようです。第一幕の王様は神、家来は私たちです。神は人間の大きな借金(一万タラントンは約六千億円)を赦してくださいました。仲間の百デナリオンを赦さないのは、一万タラントンの赦しを無効にすることと同じだ。仲間に対して憐れみの心を閉ざすことは、結果として、神も自分に対して厳しい裁きをなさるに違いないという恐れをかきたてる。それが第三幕の意味です。
現実世界での百デナリオンは、些細なことではないし、それを裁くのは不当ではありません。つまり、「赦す」ということは、泣き寝入りしろということではない。特に弱い立場の人の尊厳や利益が守られなければならないのです。しかし、もう一つの世界で一万タラントン赦されたことを知った者として、百デナリオンを、違った仕方で取り扱うことができるのではないか。自分を神の立場に置くような仕方で、「赦さない」というのは、どうなのかという問いかけです。
2)赦すことは自分自身のため
しかし、自分を傷つけた相手を赦し、憎しみや恨みをただ捨てなければならないというのは困難です。神は義なるお方ですから、敢えて言えば、私たちの「憎む権利」「恨む権利」を認めてくださいます。ですから、場合によっては、この世の法廷に訴えることもすべきです。しかし、その場合でも、神は私たちの心が憎しみや恨みに支配されたまま生き続けることを悲しまれます。赦すのは、私たちが憎しみや恨みから解放されるためなのです。ではどうしたら良いのでしょうか。それは、心にある憎む権利、恨む権利を神にお渡しし、神の正当な裁きに委ねることです。
十字架は、たとえの中の神の赦しが理論ではなく、事実として起こったことを意味します。一万タラントンはいつの間にか消えてしまったのではありません。十字架は人間の支払うべき1万タラントンを神が赦してくださったことなのです。十字架の赦しに出会うとき、私たちも、百デナリオンを赦す者へと変えられていきます。
前 奏 - 愛するイエスよ、われらはここに集いて - J.S.バッハ
招 詞 列王記下17章39節(下記)
賛 美 493(1,3) 慈しみ深い
主の祈り
子ども説教 小野 慈美 牧師
聖 書 マタイによる福音書6章12、14-15節(新約p.9)
祈 祷
黙 想
説 教 「赦されているから赦します」 小野 慈美 牧師
祈 祷
賛 美 445(1,3,4)ゆるしてください
献 金 (※礼拝堂への入退場時にお捧げください)
感謝祈祷
聖 餐 式
賛 美 2020年主題讃美歌 神はあなたと共にいる (歌詞が開きます)
祝 祷 小野 慈美 牧師
後 奏
分かち合い
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「あなたたちの神、主にのみ畏れを抱け。そうすれば、主はすべての敵の手
からあなたたちを救い出してくださる。」(列王記下17:39)
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