3月28日 10時30分より
メッセージ:「子を見捨てた父」
聖書:マタイによる福音書27章45-56節
説教者:小野慈美牧師
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わたしたちは、信仰のシンボルとして十字架を用います。しかし、十字架は死刑の道具です。十字架のペンダントを首に下げることは、ギロチンのミニチュアを首に下げているようなものです。なぜ、恐ろしい死刑の道具を誇らしげに用いるのでしょうか。
<神の子の死>
「百人隊長…は、…『本当に、この人は神の子だった』と言った」(54)。ローマ兵の百人隊長は、それまでにも何度も十字架の死刑の場に立ち合ったでしょう。死刑囚たちは、肉体的な苦痛があまりにもひどいために呪いや恨みをわめきちらして死んでいく。そういう光景を見慣れていた百卒長にとって、主イエスの姿は全く異なっていました。呪いや恨みを一切口にせずに、むしろ、とりなしの祈りをしている。「父よ、彼らをお赦しください」(ルカ23:34)という言葉を、建前や、演技で言うことができるほど、十字架の刑は生易しいものではないことを百人隊長は知っていました。だから「本当に、この人は神の子だった」と言わずにはおれなかったのです。
<主イエスの叫び>
イエスともあろうお方が、泣き言を言っておられるかのように思われます。そこで、主イエスを弁護しようとして、こういう説明がなされることがあります。
46節は、詩編22編の最初の言葉です。「わたしの神よ、わたしの神よ/なぜわたしをお見捨てになるのか。なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず/呻きも言葉も聞いてくださらないのか」(22:2)。主イエスの叫びに、神が答えてくださらない様子と合致します。しかし、この詩編は、最後には、賛美に変わっています。
「24 主を畏れる人々よ、主を賛美せよ。ヤコブの子孫は皆、主に栄光を帰せよ。イスラエルの子孫は皆、主を恐れよ。25 主は貧しい人の苦しみを/決して侮らず、さげすまれません。御顔を隠すことなく/助けを求める叫びを聞いてくださいます。」
詩編22編は、絶望の叫びで始まりますが、全体としては、賛美と信頼の心を表しています。だから、主イエスは、詩編22編全体を心に思い浮かべ、賛美と信頼の心を抱きながら「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と言われたのだというのです。
<父は子を見捨てた!?>
しかし、主イエスはこのとき、父から捨てられたという深い孤独の苦しみを率直に表現しておられたのだと思うのです。父なる神は子なる神である主イエスを見捨てられたのです。そして、最後に、「成し遂げられた」(ヨハネ19:30)と言われた。つまり、子を見捨てることによって、神の御心が成し遂げられた。何が成し遂げられたのでしょう。私たちが見捨てられないために、主イエスは、ご自分が見捨てられることを引き受けられたのです。わたしたちの人生においても、孤独や恐れに心を支配され、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」と叫んでしまうことがあるでしょう。あるいは、罪悪感にさいなまれ、こんな自分ではだめだと絶望したくなることがあるでしょう。まさにそのようなときに、主イエスは言われます。「私は、あなたを決して見捨てないよ。あなたを捨てないために、わたしが父なる神から捨てられたのだ」と。
主イエスの「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という叫びがあるから、「主は貧しい人の苦しみを決して侮らず、さげすまれません。御顔を隠すことなく助けを求める叫びを聞いてくださいます」(詩22:25)という約束は成し遂げられたのです。そのしるしとして、わたしたちは十字架を掲げるのです。
前 奏 - 神の時こそいと良き時 - J.S.バッハ
招 詞 ヨハネの手紙一4章10節(下記)
賛 美 307 ダビデの子、ホサナ
主の祈り (「讃美歌21」93-5 B 日本キリスト教協議会統一訳)
聖 書 マタイによる福音書27章45-56節(新約p.58)
祈 祷
黙 想
説 教 「子を見捨てた父」 小野 慈美 牧師
祈 祷
賛 美 311(1,2) 血しおしたたる
献 金 (※礼拝献金は、口座への送金でお捧げください)
感謝祈祷
賛 美 27 父・子・聖霊の
祝 祷 小野 慈美 牧師
後 奏
分かち合い
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「わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、
わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。
ここに愛があります。」
(Ⅰヨハネ4:10)
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