3月20日(日)10時30分より
受難節第三主日礼拝
メッセージ:「正しさという罪」
聖書:マルコによる福音書2章18-22節
説教者:小野慈美牧師
※どなたでも視聴できます。
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<律法主義>
義務感や罪悪感に駆られて、一生懸命やることを神様は望んでおられません。私たちを、規則でがんじがらめにして、少しでも規則を破ると、バツを与えるというのが神様のやり方ではないのです。ところが、主イエスの時代のファリサイ人たちは、細かい戒律を作り、それを表面的に守ることによって、神様に喜んでいただけるはずだと考えていました。このような考え方、生き方を律法主義と呼びます。
<なぜ断食しないのか>
18-20節では、断食が話題になっています。断食は本来神に対する献身のしるしです。ところが、ファリサイ人は、自分がいかに宗教的に正しい人間であるかを見せたいという意図をもって、断食することがあったようです。
「なぜ、断食しないのですか」(18)は、質問の形を取っていますが「どうして断食しないのだ。だめじゃないか」という裁きの響きのある問いです。「なぜ」という問いの背後に、問うている自分の考えは絶対に正しいという驕りがあります。つまり、自分の「正しさ」が基準になっており、その基準から外れることは、間違いなのです。気づかずに神をも裁いているのです。
「婚礼」(19)は、喜びのときです。「花婿」は主イエスを象徴しています。神様の愛そのものである主イエスが来られ、神様は罪人をも愛しておられることを示されました。だから、もはや、断食をして、自分をいじめて、がんばって、神の愛を獲得しようとする必要はないのだ。「しかし、花婿が奪い取られる時がくる」(20)とは、十字架を暗示しています。その時は、悔い改め、自分の罪を悲しむしるしとして断食する。しかし、その悲しみは、復活によって、取り除かれている。だから、私たちは、神に近付くために、神の愛を獲得するために、断食をしなければならないというような、束縛からは解き放たれているのです。
<古い革袋ではなく、新しい革袋に>
織りたての布切で古い服に継ぎを当てたりしない。「また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。・・・新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。」(22)。
主イエスが来てくださったことによって、全く新しい世界が到来しているのです。それは神に赦され愛されている喜びの世界です。その喜びは、私たちを律法的な生き方から、罪悪感から解き放つのです。律法主義の問題は喜びを奪うことです。そして、この律法主義は、今日のキリスト教会の中にも根強く残っています。福音を伝えるはずの教会が、福音の喜びを奪っているとしたら、とても残念なことです。
ヘンリ・ナウエンは『イエスの示す道』という書物(p.70以下)で、ルカ15章の放蕩息子の身勝手な動機について語っています。「弟息子は、単に生き延びるために戻ってきたのです。」さらに、ナウエンはこう記します。「父親が高尚な動機など求めなかったことに感動します。父の愛は絶対で、無条件なので、父はその息子をただただ喜び迎え入れたのです。」
新しいぶどう酒とは、この父に示されている神のあふれんばかりの愛です。ところが、私たちは、新しいぶどう酒を「律法主義」、正しくなければ愛されるにふさわしくないという古い革袋に入れようとするのです。どうしたら良いのでしょうか。「正しさ」によって父に受けれていただこうとする古い革袋を捨てることです。「正しくなければだめだ」と、自分をそして他者を裁くのは、神の愛を否定するという意味で、罪なのです。新しい革袋とは、大胆に神様の無限の愛に信頼し続ける謙虚で柔らかい心です。
前 奏 - 「茨の冠を主にかぶせて」 - 志村拓生
招 詞 詩編85編9,11-12節(下記)
賛 美 讃美歌21-58(1,3) み言葉をください
主の祈り
聖 書 マルコによる福音書2章18-22節 (新約p.64)
祈 祷
黙 想
説 教 「正しさという罪」 小野慈美 牧師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-300 十字架のもとに
献 金 (※礼拝献金は、退場の際に、また口座への送金でお捧げください)
感謝祈祷
賛 美 讃美歌21-90(1,3,4) 主よ、来たり、祝したまえ
祝 祷 小野慈美 牧師
後 奏
分かち合い
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9 わたしは神が宣言なさるのを聞きます。主は平和を宣言されます/御自分の民に、主の慈しみに生きる人々に/彼らが愚かなふるまいに戻らないように。11慈しみとまことは出会い/正義と平和は口づけし12まことは地から萌えいで/正義は天から注がれます。(詩編85:9,11-12)
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