6月12日(日)10時30分より
主日礼拝
メッセージ:「神の子は涙を流される」
聖書:ヨハネによる福音書11章28-44節
説教者:浅輪一郎伝道師
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先々週の「ラザロの復活」の話の続きから、今週は神の子であるイエス様が涙を流されたとはどういうことなのかについて導きを求めます。
11:28-30:マルタは家に帰ると妹のマリアを呼びます。マリアはすぐにイエス様の元に行きます。
11:31:ユダヤ人たちは、マリアは墓に泣きに行くのだと思い、彼らも彼女の後を追い掛けます。
11:32:マリアはイエス様を見るなり、彼女も姉と同じように感情を露わにします(11:21)。「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに」 姉のマルタは、すぐに信仰の告白をしましたが(11:27)、マリアはイエス様の足もとにひれ伏します。
11:33-35:マリアとユダヤ人たちは泣いています。イエス様はその姿をご覧になり、心に憤りを覚えられます。そして感情を抑えることなく、「どこに葬ったのか。」と強く言われます。さて、「泣く」という言葉があります。マリアは泣きそしてユダヤ人たちも泣いていました。これはマリアとユダヤ人たちの悲しみ、この世を覆いつくす悲しみでありました。その悲しみとは、この世の最後の敵「死による支配」を意味していました(Ⅰコリ15)。その死の支配から決して抜け出ることが出来ない悲しみが目前に広がっています。イエス様はその人々の悲しみに触れ、涙を流されます。
11:38,39:イエス様は再び心に憤りを覚えます。この「心に憤りを覚えて」という言葉は、ただ「感情的になって怒った」という意味で用いられている訳ではありません。それはこの言葉が用いられている他の箇所を見ますと分かります。13章には「ユダによる裏切りの予告」のシーンが描かれていますが、そこでもこの言葉が用いられています。他にもイエス様が繰り返し弟子たちに「心を騒がせるな」と伝えられている箇所があるのですが、その前後では「神を信じなさい。そしてわたしを信じなさい」と、さらには「わたしは平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える」
(14:1,27)と宣べられることが見て取れます。つまり、イエス様において「心に憤りを覚える」「心が騒ぐ」、つまり「感情が訴えられる」ということはまさに御自身が十字架の死と向き合う際に沸き起こる感情であるということが見て取れるのです。ヨハネの「ゲツセマネの園の祈り」と呼ばれている箇所(12:27-36)では、イエス様は十字架に向かわれる覚悟をこのように宣べられておられます。「今、わたしは心騒ぐ。何と言おうか。『父よ、わたしをこの時から救ってください』と言おうか。しかし、わたしはまさにこの時のために来たのだ。父よ、御名の栄光を現わしてください。」
11:39,40,43:イエス様が「石を取りのけなさい」と言われると、マルタは「復活など無理である」と間接的に言います。イエス様は「もし信じるなら、神の栄光が見られると、神様との関わりにおいて新しい命に生かされるのだと、言っておいたではないか」と言われます。イエス様は祈りを捧げると「ラザロ、出て来なさい」と大声で再び叫ばれます。このギリシャ語の「叫ぶ」という言葉は、非常に強く感情に満ちた言葉です。たとえばイエス様に死刑判決が下さる際、人々が「十字架につけろ」、「殺せ」と叫んだという同じ言葉になります。それほど強く感情に満ちた言葉をイエス様は用いました。しかし、イエス様が叫ばれた内容は、「真逆」となります。その内容は、「十字架につけろ」ではなく「墓から出て来なさい」と。「殺せ」ではなく「新しい命に生きなさい」と。
11:44:すると、死んでいた人が出て来ました。顔は覆いで包まれていました。イエス様は人々に「ほどいてやって、行かせなさい」と言われました。これは、決して、死んでいた人がゾンビのように生き返ってお墓から出て来るという超常現象の話ではありません。これは、私たちはイエス様を通して、イエス様を信じることによって「新しい命に生かされる」ということの「しるし」であるのです。ヨハネ20章31節にはこのように記されています。「これらのことが書かれたのは、あなたがたが、イエスは神の子・メシアであると信じるためであり、また、信じてイエスの名により命を受けるためである。」
「神の子が涙を流された」…とは、ラザロの、マルタとマリアの、人々の、いいえ今に生きる私たちの、避けることの出来ない死を、悲しみを、感情を、イエス様はそのまま受け止めて下さったということです。そしてこのイエス様の涙こそが、共感こそが、私たちを「救い」へと導いてくれているということです。イエス様は十字架に向かわれます。死を滅ぼすために、悲しみを拭い去るために、神さまの栄光を現わすために、十字架に向かわれます。そして復活を遂げられ、聖霊を通して、今もなお、私たちと共にいて下さいます。死は、もはや終わりではない。イエス様の涙は、私たちを新しい命に生かして下さっているのです。
前 奏 - 喜び祝え、わが心よ - Satkz
招 詞 詩編16編10-11a節(下記)
賛 美 讃美歌21-17(1,2,4) 聖なる主の美しさと
主の祈り
聖 書 ヨハネによる福音書11章28-44節 (新約p.189)
祈 祷
黙 想
説 教 「神の子は涙を流される」 浅輪一郎 伝道師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-323(1,4,5) 喜び祝え、わが心よ
献 金 (※礼拝献金は、退場の際に、また口座への送金でお捧げください)
感謝祈祷
賛 美 讃美歌21-29 天のみ民も
祝 祷 小野慈美 牧師
後 奏
幼児祝福式
分かち合い
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10あなたはわたしの魂を陰府に渡すことなく/あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず11 命の道を教えてくださいます。(詩編16:10-11a)
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