3月26日(日)10時30分より
受難節第五主日礼拝
メッセージ:「“こどものように”とは?」
聖書:マルコによる福音書10章13-16節
説教者:小野慈美牧師
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イエスに触れていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った(13)。当時のユダヤ社会では、ある年齢に達した男性が社会の構成メンバーとして認められていました。弟子たちが人々を叱ったのは、主イエスの言葉を聞いている大人たちの邪魔をさせてはならないという思いからでした。ところが主イエスは「これを見て憤り…子供たちをわたしのところに来させなさい。神の国はこのような者たちのものである」(13-14)と言われました。ただし、主イエスは子どもだけを招いておられるのではありません。「このような者たち」とはどのような者なのでしょうか。
Ⅱ)子供のように
「子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない」(15)。「子供」と訳されている言葉は、乳児から小学生くらいまでを含みます。ですから、「子供のように」とは純真無垢とか素直ということではなく、比喩として用いられています。子どもは、親や大人の庇護が無ければ生きていけない。自力では生きていけないことを知っています。「神の国」とは神の支配領域という意味ですから、「子供のように」とは、自分が神の恵みによって生かされていることを知り、神のご支配のもとで生きることです。一方的な憐れみによって生かされているという徹底的な受け身の姿勢です。それは決して、卑屈になる、自分を卑下するということではありません。また、無責任に生きてよいというのでもない。まず、神の恵みによって生かされていることを子供のように知り、その神に対する感謝の思いから、できることを喜んでする。そういう心からは、自分のやったことを誇る気持ちは出てきません。
弟子たちも、一方的な恵みによって主イエスから招かれました。ところが、しばらく主イエスに仕えているうちに、自分が招かれた時のことは忘れ、だんだん自分の功績を誇るようになってしまった。そして「功績がない者はイエス様のところに近づいてはならない」というような態度になってしまった。
私たちも、なまじっか誇るものがあると、自分から神の祝福を要求したくなる。これだけ働いているのだから、これくらいの祝福をください。そして、自分の奉仕に見合った祝福でないと満足できない。納得がいかない。賞賛されなければ不満を持つようになる。熱心であることは良いことなのですが、熱心さゆえの落とし穴がある。それは、自分のわざを誇りたくなり、自分よりも熱心でない人を裁きたくなるということです。
Ⅲ)「子どものような者」の究極
「子供のように」という態度を究極的に示しているのが、主イエスと共に十字架につけられた犯罪人の一人です。彼は「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」(ルカ23:42)と言いました。もはや死を待つだけで、償いをすることすらできない。ただ、神の恵みにすがるしかない。その彼の態度こそが「子供のよう」であったのです。その彼に対して、主イエスは「あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」(23:43)と約束されました。
子供のように、自分の功績を誇らず、神の恵みによって生きる者を、神は受け入れてくださいます。神に認められるために、自分の功績を誇ろうとする生き方は、神から遠いのです。なぜなら、神の無条件の愛を信じられず、神の愛を功績によって買い取ろうとするからです。そうではなくて、すでに招かれ愛されていることを感謝して喜んで仕えるのです。手土産を持ってこなくても良い。そのままで良い。「子供のように」近づくならば、主イエスは、あなたをも「抱き上げ、手を置いて祝福」(16)してくださいます。
前 奏 ―おお世よ、われ汝に別れを告げん― J. ブラームス
招 詞 詩編 63:3-5(下記)
賛 美 讃美歌21-300 十字架のもとに
主の祈り
聖 書 マルコによる福音書10章13-16節 (新約p.81)
祈 祷
黙 想
説 教 「子どものようにとは?」 小野慈美牧師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-313 愛するイェス (1,3,5)
献 金 (※礼拝献金は、入退場の際に、また口座への送金でお捧げください)
感謝祈祷
賛 美 讃美歌21-444 気づかせてください(3)アーメン
祝 祷 小野慈美牧師
後 奏
分かち合い
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3 今、わたしは聖所であなたを仰ぎ望み/あなたの力と栄えを見ています。
4 あなたの慈しみは命にもまさる恵み。わたしの唇はあなたをほめたたえます。
5 命のある限り、あなたをたたえ/手を高く上げ、御名によって祈ります。
(詩編63:3-5)
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