5月12日(日)10時30分より
メッセージ:「ガリラヤからの~」
聖書:マタイによる福音書4章12-17節
説教者:浅輪一郎伝道師
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「異邦人のガリラヤ」とも呼ばれたガリラヤに注目をし、今日の聖書箇所から示されることに耳を傾けます。
(歴史から)
紀元前1200年頃:この地域は元々カナン人が住んでいた地域でありましたが、イスラエル十二部族のゼブルン族とナフタリ族によって分配されました(ヨシュ19:10-16,32-39)。
紀元前1000年頃:イスラエル十二部族が治めていた地域のほぼ全域が「イスラエル王国」として統一されました。しかしソロモンが亡くなった後、北イスラエルと南ユダに分裂します。もともとガリラヤがあった場所は、ほぼ100%北イスラエル領にあったということになります。
紀元前721年:北イスラエルはアッシリアによって滅ぼされます。そして、ガリラヤの住民はアッシリアに捕囚として連れて行かれました(列王記下15:29)。以降、ガリラヤを含む北イスラエルの地域には他民族の移住が進められました。そのことを指して南ユダの人々はガリラヤのことを「異邦人のガリラヤ」と呼ぶようになりました。マタイ4:14において「異邦人のガリラヤ」という言葉は預言者イザヤの言葉として使われていますが、イザヤがまさに南ユダのウジヤ王の顧問官でありました。
その後600年間:この地方はバビロニア、ペルシャ、マケドニア、エジプト、シリアによって相次いで征服されました。そしてさらなる住民の捕囚、他民族の移住が繰り返されました。しかし、特にバビロン捕囚の後、捕囚から帰国した人々の多くは南ユダの出身であって、エルサレムを中心にして王国の再建を目指しました。ですからかつての記憶が残る南ユダの人々にとって、ガリラヤとは依然と「異邦人のガリラヤ」であり続けました。
紀元前134年から約7、80年間:ハスモン家によってユダヤ人国家が作られました。
紀元前63年:再びパレスチナの全域が今度はローマ帝国の支配下に入ります。
紀元前40年:ローマ元老院はヘロデを「ユダヤ人の王」に任命します。ヘロデの死後、ガリラヤは息子のヘロデ・アンティパスによって治められることになります。なお、この頃のガリラヤは、かつてのように依然と交通の要衝でありました。ですから常に外国の文化と思想の影響を受けていた場所でありました。その中でも特にイエス様が住まわれたとされるカファルナウムにおいては、ユダヤ人、シリア人、ローマ人、パルティア人などが訪れ、様々な言語が飛び交っていたとも言われています。そうしますと、イエス様がこの地上にお生まれになり、そして公生涯を送られた頃のガリラヤとは、やはり「異邦人のガリラヤ」であり続けたのです。
(聖書から)
イエス様は洗礼者のヨハネが捕らえられたと聞きガリラヤに退かれました。そして同じガリラヤではあるのですが、イエス様は幼少期を過ごされたナザレからガリラヤ湖畔のカファルナウムに来てお住まいになりました(4:12,13)。それは、預言者イザヤを通して言われていたことが実現するためでありました(4:14)。15,16節で「異邦人のガリラヤ」が登場します。このイザヤ書からの引用文は、あたかもこの言葉に触れる人々に優しく語りかけられているかのようにも思えます。「安心しなさい。暗闇の中に住んでいるとしか思えないあなたたちは大きな光を見る」と。「死の陰の地に住んでいるとしか思えないあなたたちに光が射し込む」と。しかし、そのことを可能とするお方がイエス様であるとマタイは伝えます。イエス様はおっしゃいます。「悔い改め」なさいと。「人を見るのでも過去を見るのでもなく、神様をしっかりと見なさい」と。そしてそのことは、イエス様を通して可能となりこれから広まっていくことであるので、イエス様はさらにこのように言葉を続けられます。「天の国は近づいた」と。「神様の国は近づいた」と(4:17)。
(結語)
福音の宣教とは、どちらが正しいのか/正しくないのか、どちらが正統なのか/正統ではないのかとの結論を出すことから始まるのではなく、むしろ、異邦人のガリラヤのような場所から始まっています。さらに申し上げますのならば、「異邦人のガリラヤ」から始まる福音の宣教とは、私たちの側の条件が整って初めて始まるのではなく、いかなる条件を越えて、「神様をしっかりと見上げなさい」と、そして「天の国は近づいた」と宣言をされるイエス様がおられるところから始まっているのです。
前 奏 - 聖なるみ神は - J.G.ヴァルター
招 詞 イザヤ書42章1節(下記)
賛 美 讃美歌21-57 ガリラヤの風かおる丘で(1,2)
主の祈り
聖 書 マタイによる福音書4章12-17節 (新約p.5)
祈 祷
黙 想
説 教 「ガリラヤからの~」 浅輪一郎伝道師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-417 聖霊によりて
献 金
感謝祈祷
賛 美 讃美歌21-28 み栄えあれや
祝 祷 小野慈美牧師
後 奏
分かち合い
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見よ、わたしの僕、わたしが支える者を。
わたしが選び、喜び迎える者を。
彼の上にわたしの霊は置かれ
彼は国々の裁きを導き出す。(イザヤ42:1)
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