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横浜駅近く、丘の上にある教会。捜真バプテスト教会です。

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教会広報担当が発行する教会機関誌「おちぼ」年数回の発行で、教会員、幼稚園へ配られます。

おちぼ127号「パウロのように、日本人に対しては日本人のようになろう」

■「パウロのように、日本人に対しては日本人のようになろう」
菊池 亜紀子

私の仕えるアメリカ・シアトルにある日本人バプテスト教会(Japanese Baptist Church)の中高生を日本へ連れてくること、これは4年前に神様から与えられたビジョン(幻)でした。神様のその「時」が開かれ、今年の6月22日から7月4日まで、4人の中高生と3人の引率者を連れて横浜と宮城県を訪問しました。そして、6月30日(日)には短い時間でしたが、捜真バプテスト教会の教会学校も訪問させていただきました。
「時」が開かれたとき、私たちに与えられた伝道とは何かを祈り求め、「自己存在を通して日本人の心にふれる出会い」を示されました。私の教会は日系人が多い教会ですが、それでもアメリカ人教会ですので、アメリカ人の心に響く方法と日本人の心に響く方法の違いを理解してもらうには時間がかかりました。
チームの準備会で、コリントの信徒への手紙1 9章19節〜24節から聖書研究をしました。パウロのいう「わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。ユダヤ人に対しては、ユダヤ人のようになりました。」とはどういう意味なのかを一人ひとりが考えました。そして、日本人と同じようにふるまうこと、習慣に従うことだと結論がでました。自分で選んでそうするのですから、「自分」は変わりません。

その後、コミュニケーションのとり方の違いも説明しました。中高生は、多少の日本語はわかりますが、会話はできません。だから出発前に私が通訳に入るように頼んできました。私は、私が通訳に入ると、その会話は私とその日本人の会話になるので公の場以外は入らない、自分たちの知っている日本語と英語、身振り手振りでコミュニケーションをとるように説明しました。中高生は、自分たちで調べて日本の制服と同じような服を用意しました。訪問先でガムをかまない、飲み物を授業中に飲まないなど細かいことまで説明しました。

捜真女学校の短期留学生の準備会に参加したときは、JBC中高生は生徒たちが英文を作れるまで笑顔で何分でも待ち、質問されるとすぐに答えていました。日本が大好きな中高生なので日本のアイドルやテレビ番組を答えるときもあり、一緒に喜んでいました。私は何度も英文を教えそうになりましたが、チームの中高生はずっと待っていました。生徒たちの心に、そのままでいい、コミュニケーションがとれるという喜びと自信がついたのではないでしょうか。

宮城県の教会や仮設住宅、島の民宿を訪問したときは、おもてなしを受けました。ボランティアに行くと、何か手伝うことが想像されますが、私たちは被災の跡を見、逆に現地の方にもてなしていただきました。仮設住宅では、えぜるプロジェクトのお茶会に参加し、習字、お手玉、折り紙、そしてお茶を教えていただきました。仮設住宅の方々が得意とする日本の文化を伝えていただきました。仮設住宅の管理者の一人が通りがかりにこんなに楽しそうな声を聞いたことがないが、何をしているのかと聞いてきたそうです。「受けるよりも与えるほうが幸いである」と聖書に書いてあるとおりです。私たちからのお土産としてアメリカのお菓子と、絵葉書を贈りました。絵葉書にはチームメンバー一人ひとりが選んだ御言葉が英語と日本語で書いてあります。そして、お菓子には「Jesus loves you」と書いてあります。遠いアメリカから若い人たちが震災から2年たっても会いに来た、世界から忘れられていない、そのことが被災者の方々に励ましを与えたとえぜるプロジェクト代表の方に言われました。この出会いを通して主が働かれることを祈ります。

中高生は、聖書にあるように横浜で学校を訪問したときも、宮城県で教会や仮設住宅を訪問したときも、英語を話しますが、ふるまいは日本人のようでした。日本の常識はアメリカの非常識、アメリカの常識は日本の非常識といえることが少なくなく、アメリカ人のメンバーが日本の習慣に従うことは、易しいことではありません。けれども、メンバーはそれを楽しみ、日本人のようになって日本と日本人を心から愛しました。イエス・キリストの愛と忍耐をもって出会う人たちを愛し、姿でイエス・キリストが日本人を心から愛していることを伝えたと確信しています。13日間ずっと一緒にいた日本人の私から最終日に伝えたことは、「Thank you for your sacrificing love」でした。メンバーがこれからも日本を愛し日本のために祈り、日本のことをアメリカで伝え、これからも日本に重荷をもっていくことを祈ります。