9月14日(日)10時30分~11時30分
メッセージ:「しかし、わたしは言っておく」
聖書:マタイによる福音書5章43-48節
説教者:東間克美師
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◆『わたしが来たのは、律法や預言者を廃止するためだ、と思ってはならない。廃止するためではなく、完成するためである』(マタイ5:17)。この言葉を受けて、5章の後半には、律法の完成者としての主イエスの具体的な教えが記されています。5章21節以下の小見出しが付いているすべての段落では一つの共通した表現とキーワードがあります。それは「あなたがたも聞いているとおり、このように命じられている。しかし、わたしは言っておく」というものです。
◆43節『あなたがたも聞いているとおり、「隣人を愛し、敵を憎め」と命じられている』。これは旧約聖書「レビ記」の引用ですが、レビ記19章18節ではこのようにあります。『自分自身を愛するように、隣人を愛しなさい。わたしは主である』。つまり「隣人を愛する」ことは命じられていても、「敵を憎め」という戒めはありません。この「レビ記」が教える「隣人愛の戒め」は、イスラエル共同体に属する同胞に限定されておりまして異民族を含むものではありませんでした。しかし主イエスは、民族的差別を撤廃して、すべての人を、迫害者すらも「隣人」として愛することを命じられているのです。なぜならばご自身がそのように生きられたからです。
◆45節に『あなたがたの天の父の子となるためである』とありますが、私たちの努力や善い行いの結果「天の父の子になる」のではありません。神の愛を受け止め、共有し、実践することによって、神との親子関係に入れていただく、ということです。46節『自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか』。自分を愛する者を愛する。それは当たり前のこと、誰でも出来ることです。
しかし「当たり前の愛」ではない愛があります。それは「にもかかわらず愛する」ということで、主ご自身がこの「にもかかわらずの愛」に生きられたお方なのです。主はさらに言われます。『あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい』(5:48)。もとより私たちは「完全」ではありません。ではどのようにしたら敵を愛し、迫害する者のために祈る者となることが出来るのか。それは神の完全さと愛を、信頼と感謝をもって受け入れる、ということです。つまり、ここで主イエスが言われている「完全な者」とは「欠けるところのない者」という意味ではなく、神の完全さを信じることによって神の全き愛をいただいて、その愛に生きる者となりなさいということなのです。
◆44節『敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい』。これは道徳的な言葉ではありません。律法主義的な言葉でもありません。ご自身がそのように生きられた方の言葉として、すなわち福音の言葉として語られているのです。主イエスは今も神に執り成してくださっています。そして私たちは、この主イエスの執り成しによって、敵を愛し、迫害する者のために祈る者へと変えられていくのです。神は愛です。愛の源泉は神です。ですから「敵を愛する」ということは、その人を神の前に生かそうとする行為なのです。
主イエスは言われます。『しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい』(5:44)。私たち自身が神の愛に生かされる時、その愛を映し出す器として、「敵を愛し、迫害する者のために祈る者」へと、恵みによって変えられていくのです。『隣人を愛し、敵を憎め』。これは誰でも出来ることであると思います。一方で主イエスは私たちに、『敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい』と言われます。相反するこの2つの言葉を結び付けているのが『しかし、わたしは言っておく』という言葉なのです。
◆『しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい』。この言葉の中に、福音の本質が3つほど示されています。第1に、主イエスがこのように言われるその根拠として、ご自身の十字架による赦しと救いの御業があるのです。第2は、主はこのようにお語りになることによって、私たちに価値観の転換を促し、「いかに生きるべきか」ということ教えておられます。そして第3のことは、「わたしが執り成しをするから、わたしに委ねて、わたしの言葉に従いなさい」という、主イエスの恵みによる招きが示されております。このような主イエスの恵みの約束に押し出されて、すべてを委ねて信仰の旅を続けてまいりましょう。
前 奏 - 神をたたえる歌は - スイホン・リム
招 詞 レビ記19章18節後半(下記)
賛 美 讃美歌21-394 信仰うけつぎ
主の祈り
聖 書 マタイによる福音書5章43-48節 (新約p.8)
祈 祷
賛 美 讃美歌21-433 あるがままわれを(1,2,4,6)
黙 想
説 教 「しかし、わたしは言っておく」 東間克美師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-510 主よ、終わりまで(1,3,4)
献 金
感謝祈祷
賛 美 讃美歌21-24 たたえよ、主の民
祝 福 東間克美師
後 奏
分かち合い
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自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。わたしは主である。
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