受難週の水曜日の出来事です。一人の女性が高価な香油をイエス様に注ぎました。並行記事のヨハネの福音書を見ますと、女性の名前はマリア、香油は「ナルドの香油」とあります。この香油はマルコ14:5では「300デナリオン以上に売って」とありますように、労働者の1年分の賃金に相当する高価なものでした。
ではマリアはなぜ大切にしていた香油を主に注いだのでしょうか。それは主イエス様の埋葬の準備をしたのです(12節)。マリアは主イエス様のお話を聞いておりました(ルカ10:38〜42参照)。その結果、主イエス様が人類の贖いとして十字架の死を遂げられ、復活されることを信じていたのでしょう。この彼女の行為を主イエス様は称賛されました。
その理由は(1)高価なものを惜しまずに捧げたこと。弟子たちのような打算を超えた純粋な主イエス様への愛から出る献身的な奉仕です。
(2)機会を逃さなかったこと。彼女は主イエス様の「時」(=十字架)を知り、自分の最も大切なものを捧げたのでした。
(3)埋葬の用意をしたこと。これは主イエス様が望んでおられたことです。
このようにマリアは主イエス様に対する献身のしるしとして香油を注いだのでした。さて私たちにとっての「香油」とは何でしょうか?私たちは、自分に与えられている賜物や時間、労力などを心を込めて主にお捧げしているでしょうか?主への献身、これこそキリストの恵みへの応答であります。
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