12月4日(日)10時30分より
メッセージ:「希望」
聖書:イザヤ書55章6-11節
ローマの信徒への手紙15章12-13節
説教者:小野慈美牧師
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Ⅰ<願望と希望> 一縷の望みとか、かすかな希望という表現があります。この「望み」「希望」は、厳密に言えば「願望」です。願望とは、人間の一方的な願いや期待のことで、保証はありません。聖書の「希望」は、神様の約束は必ず実現するという信頼です。
Ⅱ<バビロン捕囚とそこからの解放> 南王国ユダは紀元前587年、バビロニアによって滅ぼされ、主だった人々は、バビロニアの都バビロンに連れていかれました(バビロン捕囚)。この捕囚民の中で活動した預言者がいました。この預言者は、イザヤ40-55章を書いた人物で、名前が知られていないために、学問的に、「第二イザヤ」と呼ばれています。彼が活動したのは、紀元前550年頃から、530年頃と考えられます。
紀元前539年頃。ペルシャのキュロス王がバビロニアを滅ぼし、キュロスは、捕囚民に対し、故国への帰還許可を出しました。しかし、イスラエルの民は躊躇しました。なぜなら、バビロン捕囚にあったのは、自分たちが神に背いたために裁きをうけたのだと理解していたからです。「キュロス王は故郷に帰って良いといっているけれど、自分たちの犯した過ちを神は赦してくださっているのか」という思いがあったのです。それに対して、預言者は、捕囚から解放された今こそ、主を尋ね求めよと訴えます。「主に立ち帰るならば、主は憐れんでくださる。わたしたちの神に立ち帰るならば/豊かに赦してくださる」(55:7)。自分たちの過去の過ちに執着するな。神は赦すとおっしゃっている。その言葉を信じ受け容れなさい。良い人間になったら、神の前に立つことができるというのが、人間の思い。しかし、神の思いは異なる。神に立ち返り悔い改めるならば、神は赦してくださる(8-9)。「わたしの口から出るわたしの言葉も/むなしくは、わたしのもとに戻らない」(11)。神の赦しの言葉は確かなのだ。信頼して大丈夫なのだ。
Ⅲ<私たちへの語りかけ> パウロも告げます。「イザヤはこう言っています。『エッサイの根から芽が現れ、異邦人を治めるために立ち上がる。異邦人は彼に望みをかける』」(ローマ15:12)。エッサイとは、ダビデの父です。ダビデの家系から救い主が生まれ、ユダヤ人だけの救い主ではなく、異邦人の救い主となる。ですから、イザヤ55章の言葉は私たちにも語られているのです。
「主が近くにいますうちに」(6)とは、主は、今は近くにいるけれど、やがて遠ざかってしまわれるという意味ではありません。主はいつも近くにおられます。だから、主の赦しの言葉に対して、神の正面に立って、耳を傾けなさい、そうすればよく聞こえる。逆説的ですが、自分なんかだめだと思う時こそ、悔い改め(方向転換)をするならば、主はすぐ近くにおられるのがわかるのです。しかし、神の赦しの言葉に背を向けるならば、声は小さくなる。さらに、その声に心を傾けなければ、神の声は遠くなる。そして、自分の判断で何とかできると思うとき、結果として神は遠ざかるのです。
Ⅳ<希望をもって喜び>(ローマ12:12) イスラエルの民が、自分たちはその罪の故に神にふさわしくないと思っていたときに、預言者は「神に立ち帰れ、神の言葉に信頼しなさい。」と呼びかけます。良い人間だけが救われるというのであれば、恵みではない。ふさわしくない者に与えられる赦しだからこそ、恵みなのです。神を信じるとは、神の存在を信じるということだけではない。神を信じるとは、神を信頼すること。神の約束、神の言葉を信頼すること。旧約の人々にとっては、救い主到来の希望は希望のままでした。しかし、私たちにとっては、この希望は主イエスキリストの十字架と復活によって事実となったのです。だから、自分はだめだと言ってはならない。このことだけは赦していただけないと思ってはならない。神は、あなたが罪の重荷から解放され、希望をもって喜んで生きることを願っておられます。
前 奏 ― 神のみ子は世に来られた ― J.S.バッハ
招 詞 イザヤ書40章3-5節(下記)
賛 美 讃美歌21-55 人となりたる神のことば(1,3)
主の祈り (「讃美歌21」 93-5-B 日本キリスト教協議会統一訳)
賛 美 ― 神のひとり子 この世に ― 聖歌隊
聖 書 イザヤ書55章6-11節 (旧約p.1152)
ローマの信徒への手紙15章12-13節(新約p.295)
祈 祷
黙 想
説 教 「希望」 小野慈美牧師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-248 エッサイの根より
献 金 (※礼拝献金は、退場の際に、また口座への送金でお捧げください)
感謝祈祷
聖餐式
賛 美 2022年主題賛美歌「たゆまず祈りなさい」
祝 祷 小野慈美牧師
後 奏
分かち合い
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呼びかける声がある。主のために、荒れ野に道を備え/わたしたちの神のために、荒れ地に広い道を通せ。谷はすべて身を起こし、山と丘は身を低くせよ。険しい道は平らに、狭い道は広い谷となれ。主の栄光がこうして現れるのを/肉なる者は共に見る。主の口がこう宣言される。(イザヤ40:3-5)
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