7月2日(日)10時30分より
メッセージ:「世間からの自由」
聖書:マルコによる福音書12章1-17節
説教者:小野慈美牧師
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1)ぶどう園と農夫のたとえ
「1イエスは、たとえで彼らに話し始められた」。「彼ら」とは、11:27の「祭司長、律法学者、長老たち」です。11:27-33で、彼らはイエスの権威を問いただしたのですが、主イエスはそれを見事にかわし、逆にたとえを用いて、彼らに「当てつけ」(12)たのです。
「1ある人がぶどう園を作り、・・・これを農夫たちに貸して旅に出た。2収穫の時になったので、ぶどう園の収穫を受け取るために、僕を農夫たちのところへ送った」。「ある人」は神、「ぶどう園」はイスラエルの民、「農夫たち」は過去のイスラエルの指導者たち、「僕」たちは歴史上の預言者たちを表しています。神はイスラエルをご自分の民として選ばれました。ところが、指導者たちは神に反することを続けたので、それを正すために多くの預言者が遣わされましたが、民の指導者たちは、預言者の忠告を聞かず、暴力をふるったり殺したりした。ここまでは、既に起こった歴史のたとえですが、6節以下はこれから起こることを示しています。
6,7節の「息子」は主イエスのことであり、その殺害は十字架での死を暗示しています。主人は…戻って来て農夫たちを殺し、ぶどう園をほかの人たちに与えるにちがいない。紀元70年に、エルサレムはローマ帝国によって滅ぼされ、ユダヤ人は、その土地を追い出されました。そして、ユダヤ人と異邦人から成る教会が、新しいイスラエルとなったのです。
2)皇帝のものは皇帝に、神のものは神に
13 人々は、イエスの言葉じりをとらえて陥れようとして、ファリサイ派やヘロデ派の人を数人イエスのところに遣わした。この「人々」も、祭司長、律法学者、長老たちです。当てつけを言われたことに腹を立てた彼らは、新たな作戦を練ります。そして尋ねます。「皇帝に税金を・・・納めるべきでしょうか、納めてはならないのでしょうか」(14)。イエスが「納めなさい」と言えば、ローマ帝国からの解放者としてのメシア像を描いていた民衆の期待がしぼみ、イエスの権威がゆらぎます。「納めるな」と言えば、イエスをローマへの反逆を扇動する者として訴えることができます。どちらの答えをしても、イエスの立場が脅かされます。それに対し、主イエスはデナリオン銀貨を持って来させ、「これは、だれの肖像と銘か」と問いました。彼らが「皇帝のものです」と言うと、「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」と言われました(15-17)。
ユダヤ人の指導者たちは、表面的な政治的立場は違っていても、自分たちの利益、立場の保全を最優先していました。立場の違いを超えて、イエスを殺害したいという点で結託しました。根本は自己目的のためであり、「神のものを神に」返すことをしていなかったのです。
「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に」とは、皇帝(カエサル)の支配する政治的国家的領域と、神の支配する宗教的領域とを区別しろということではありません。すべては神の領域です。キリスト者も、実際に生きているのは、カエサルの領域です。それ以外の信仰の世界がどこかに存在するわけではない。ですから、カエサルの領域では、カエサルの領域での支配を受けます。しかし、見える世界がすべてなのではない。カエサルの領域で起こる一つ一つの事柄について、私たちは、神の御心を尋ねていかねばならない。神の御支配の届かない領域があるかのように生きてはならないのです。
デナリオン銀貨には皇帝のしるしが刻印されています。しかし、私たちには、キリストの証印が押されています。「あなたがたの体は、神からいただいた聖霊が宿ってくださる神殿」なのだから「自分の体で神の栄光を現」わすことが求められています(Ⅰコリント6:19-20)。
「この世はこの世、信仰は信仰」という二元論ではなくて、何よりも、神のものを神に返す。つまり、主導権を神にお渡しすることによって、この世に対して、どう対処していくべきかがわかってくるのです。「あなたがたはこの世に倣ってはなりません。むしろ、心を新たにして自分を変えていただき、何が神の御心であるか、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるようになりなさい」(ローマ12:2)。
前 奏 - 来たれ全能の主 ― H. ウィラン
招 詞 詩編33編1-3節(下記)
賛 美 讃美歌21-352 来たれ全能の主
主の祈り (「讃美歌21」 93-5-B 日本キリスト教協議会統一訳)
賛 美 -讃美歌21-498 道、道理、命- 聖歌隊
聖 書 マルコによる福音書12章1-17節 (新約p.85)
祈 祷
賛 美 讃美歌21-498 道、真理、命
黙 想
説 教 「世間からの自由」 小野慈美牧師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-531 主イェスこそわが望み
献 金
感謝祈祷
聖 餐 式
賛 美 2023年主題賛美歌「常に主を覚えて」
祝 祷 小野慈美牧師
後 奏
分かち合い
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1 主に従う人よ、主によって喜び歌え。主を賛美することは正しい人にふさわしい。
2 琴を奏でて主に感謝をささげ/十弦の琴を奏でてほめ歌をうたえ。3 新しい歌を主に向かってうたい/美しい調べと共に喜びの叫びをあげよ。(詩編33:1-3
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