11月12日(日)10時30分より
メッセージ:「愛の無駄遣い」
聖書:マルコによる福音書14章1-9節
説教者:小野慈美牧師
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愛には打算がない
主イエスがシモンの家で食事をしていたときにサプライズが起きました。一人の女性が、「純粋で非常に高価なナルド何かの香油の入った石膏の壺を持って来て、それを壊し、香油をイエスの頭に注ぎかけた」のです。
この女性はおそらく過去に主イエスによって救われた経験があり、心から感謝し、その心を率直に表現したのです。ところが、4そこにいた人の何人かが、憤慨して互いに言った。「なぜ、こんなに香油を無駄遣いしたのか。5 この香油は三百デナリオン以上に売って、貧しい人々に施すことができたのに。」そして、彼女を厳しくとがめた。
1デナリオンは当時の日当でしたから、300デナリオンは労働者の年収に相当します。彼女は、香油を大事に取っておいたのかもしれない。しかし主イエスに出会い、その愛に癒されて深い感謝と喜びに満たされたときに、香油を惜し気もなく注ぎ尽くした。愛を注ぎ尽くしたかった。それだけなのです。人間が生きていくときには、合理性、効率性を大事にし、無駄を省くことが求められる場面があります。しかし、人と人との関わりの場面においてまで、合理性や効率を追求したら愛は成り立ちません。愛には打算がないのです。
6 イエスは言われた。「するままにさせておきなさい。なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。7 貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるから、したいときに良いことをしてやれる。しかし、わたしはいつも一緒にいるわけではない。
主イエスは「貧しい人々を大事にする」という弟子たちの考えを否定なさったのではない。弟子たちの言っていることは正しいのです。しかし、どういう心でそれをするのかということを主イエスは問われるのです。
最大の無駄遣い
ところで、最大の無駄使い、それは人間の罪のために、神のひとり子の命が費やされたことです。愚かで、過ちを繰り返し、御自分に敵対する人間をなおも赦し、生かすために、尊い主イエスの命が差し出された、それが十字架です。神様は、人間を愛するゆえにそうせざるを得なかった。これこそ最大の無駄使いです。そして、この無駄使いがなければ、人間にとっての救いはないのです。
8 この人はできるかぎりのことをした。つまり、前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれた。9 はっきり言っておく。世界中どこでも、福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」
なぜ、この女のしたことが記念として語り伝えられるのか。それは彼女の行いがまさに十字架の意味を象徴しているからです。当時は、葬りの際に、遺体に油を塗ることが習わしでした。女性は、そのことを前もって行ったことになるのです。また、メシアとは、油注がれた者という意味です。古代イスラエルでは、王、祭司、預言者などが、その任につくとき、頭に油を注ぎました。そのため、メシアという言葉が、「救世主」の意味で用いられるようになりました。この女の油注ぎは、まさにイエスをメシアと位置付ける象徴的な行為となっているのです。
この方はすべての人の贖いとして御自身を献げられました(Ⅰテモテ2:6)。「すべての人」の中に、この私も含まれている。そのことを深く知って感謝することからすべては始まります。主イエスを愛するとは、まず、主イエスが自分のためにしてくださったことを心から喜び、感謝することです。そのような心があってこそ、主イエスの求めに喜んで応えていきたいという生き方が生まれるのです。私たちは、直接主イエスにナルドの香油を注ぐことはできませんが、私たちにも主イエスにお献げすることのできるものがあります。感謝と喜びをもって礼拝すること。これを主イエスはなによりも喜んでくださる。その上でそれぞれが主イエスから促されたこと、奉仕や献金に喜んでお応えしていったらよいのです。
前 奏 -この世はみな、神の世界 - イギリス伝統旋律
招 詞 詩編34編9-10節(下記)
賛 美 讃美歌21-202 よろこびとさかえに満つ
主の祈り
聖 書 マルコによる福音書14章1-9節 (新約p.90)
祈 祷
黙 想
説 教 「愛の無駄遣い」 小野慈美牧師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-567 ナルドの香油(1,2,4)
献 金
感謝祈祷
賛 美 讃美歌21-25 父・子・聖霊に
祝 祷 小野慈美牧師
後 奏
分かち合い
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9 味わい、見よ、主の恵み深さを。いかに幸いなことか、御もとに身を寄せる人は。
10 主の聖なる人々よ、主を畏れ敬え。主を畏れる人には何も欠けることがない。
(詩34:9-10)
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