1月21日(日)10時30分より
メッセージ:「母たちの悲しむ声」
聖書:マタイによる福音書2章13-18節
説教者:浅輪一郎伝道師
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今日の聖書箇所で登場する母たちの悲しむ声に耳を傾けながら、イエス様がこの世にお生まれになったことの意味について導きを求めます。
(ラケル)
ラケルはヤコブの妻で、ヨセフとベニヤミンの母であります。ベニヤミンを出産した際、難産であった為、その子をベン・オニ(私の苦しみの子)と名付けて亡くなっていきました。しかし、ベン・オニ/ベニヤミンは、その後、北イスラエルの祖先となっていきます。ラケルは北イスラエルにあるラマに葬られたとのことです(サム上10:2)。紀元前721年、北イスラエルはアッシリアによって滅ぼされ、住民の多くはアッシリアに連れていかれました。その際、捕囚とされた人々はラマを通って行ったのですが、ラケルはお墓の中から彼女の子孫たちの運命を激しく嘆き悲しんだとエレミヤは伝えています。一方で、ラケルの墓は「ベツレヘムの近くにあった」という伝承もあります(創35:19)。マタイはこの伝承を踏まえ、今度はヘロデによって子どもを殺された母親たちの悲劇をラケルの悲しみと関連させて説明しようとします。しかし、私たちは、この悲劇には戸惑いというものを覚えるかもしれません。
(物語『ベツレヘムの母たち』から)
聖書には母親たちが、その後、何をしたのか?ということについては記されていません。そこで『ベツレヘムの母たち』という物語に目を向けて導きを求めます。
子どもを殺された母親たちは、エジプトに逃げて行ったイエス様一家を探し続けます。何故か? それは母親たちが負った同じ苦しみ悲しみを味合わせてやりたい、マリア自身の子供が苦しんでいる時の彼女の顔をこの目で見てやりたいと考えていたからでした。母親たちがイエス様を探し出すのに三十年掛かりました。母親たちが見つけたのは、もはや生まれたばかりの赤ん坊ではなく、大人になって十字架にかけられていたイエス様でした。顔は殴られ、唾を吐きかけられ、体じゅう鞭で打たれて、血が流れていました。その十字架の下に、マリアがいました。マリアはやつれ切っていました。しかし、マリアは十字架の上のイエス様を力強く見上げ続けていました。ベツレヘムの母たちは、イエス様とマリアを見て、もはや恨み/つらみの言葉を失います。
(物語のその後)
その後、イエス様は十字架の上で亡くなられます。しかし三日後に復活をされます。そしてその復活の知らせは、この物語の創作をさらに続けるのならば、きっとこの母親たちの耳にも届いたことでしょう。すると、ベツレヘムの母親たちは、「もはや死は自分たちが直面している悲しみの死では終わらない」と思ったに違いありません。彼女たちは新約聖書の言葉は知る由もなかったのかもしれませんが、次の御言葉のように希望を抱いたに違いありません。「キリストが死に、そして生きたのは、死んだ人にも生きている人にも主となられるためです。」(ローマ14:9)、「キリストも、罪のために、ただ一度苦しまれました。正しい方が、正しくない者たちのために苦しまれたのです。あなたがたを神のもとへと導くためです。キリストは肉では死に渡されましたが、霊では生きる者とされたのです。そして、霊においてキリストは、捕らわれていた霊たちのところへ行って宣教されました。」(Ⅰペト3:18,19)
(結語)
マタイは、エレミヤ書からのラケルの嘆き悲しみの引用をもって、ベツレヘムの母親たちの悲しみを表そうとしました。しかし、マタイはあえてエレミヤ書においてその後に続く言葉は引用しませんでした。なぜならイエス様がお生まれになったことによって、この言葉が実現されてくるからです。イエス様がお生まれになった意味はここに表されています。今日の招きの詞です。
「主はこう言われる。 泣きやむがよい。 目から涙をぬぐいなさい。 あなたの苦しみは報いられる、と主は言われる。 息子たちは敵の国から帰って来る。 あなたの未来には希望がある、と主は言われる。 息子たちは自分の国に帰って来る。」(エレミヤ31:16,17)
前 奏 - 愛するイェスよ - Satkz
招 詞 エレミヤ書31章16-17節(下記)
賛 美 讃美歌21-51 愛するイェスよ
主の祈り
聖 書 マタイによる福音書 2章13-18節 (新約p.2)
祈 祷
黙 想
説 教 「母たちの悲しむ声」 浅輪一郎伝道師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-532 やすかれ、わがこころよ
献 金
感謝祈祷
賛 美 2024年主題賛美歌 作曲:小室尚子
祝 祷 小野慈美牧師
後 奏
分かち合い
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16主はこう言われる。/泣きやむがよい。/目から涙をぬぐいなさい。
あなたの苦しみは報いられる、と主は言われる。/息子たちは敵の国から帰って来る。
17あなたの未来には希望がある、と主は言われる。/息子たちは自分の国に帰って来る。 (エレミヤ31:16-17)
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