10月6日(日)10時30分より
メッセージ:「生きるにも死ぬにも」
聖書:フィリピの信徒への手紙1章12-21節
説教者:小野慈美牧師
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パウロは、第3回伝道旅行のときに、おそらくエフェソで投獄され、牢獄の中から書いたのがフィリピ書です。投獄され伝道活動ができなくなったのですが、そのことによって兵営のローマの兵士たちや他の囚人たちに福音を語る機会ができたのです(12-13)。教会の人々は、パウロが逮捕されて意気消沈していたのですが、人間の思いを超えて、パウロが神様に用いられていることを伝え聞いて励まされました(14)。
ところが中には、不純な動機で伝道する人たちもいました。初代教会の中にも派閥のようなものがあり「ねたみと争いの念にかられて」(15)自分たちの勢力を拡大したいという思いから伝道することもあったのです。パウロが投獄されたことを知ると、ここぞとばかりに伝道に励むようなことがあったようなのです。
1)大切なことは、とにかくキリストが告げ知らされること。
「不純な動機からキリストを告げ知らせている」(17)人々は、福音そのものの反対者なのではありませんでした。ただ、動機が「妬みや争いの念」(15)であったということです。たとえ彼らのやり方がパウロを不愉快にさせるものであるとしても、パウロにとっては、キリストが告げ知らされることこそが最重要であったので、「とにかく、キリストが告げ知らされているのですから、わたしはそれを喜んでいます」(18)と述べています。
2)人間があがめられてはならない。
「わたしの身によってキリストが公然とあがめられることを切に願い、希望しています」(20)。たとえば、のどがかわいて死にそうな人に水を運ぶ時、りっぱな器で運んでも、ひびの入った器で運んでも、中に水が入ってさえいれば、飲んだ人は命を与えられます。たとえ、不純な動機の不完全な人間であろうと、神は用いられます。パウロであろうと誰であろうと、器である人間があがめられてはならない。キリストがあがめられることが大切なのです。
3)あまりに人間的な純粋さにこだわるのは危険。
パウロは自分としては純粋な動機で福音を宣べ伝えていましたが、自分の語り方、自分のやり方だけが唯一絶対のものだとは考えませんでした。人は、どんなに純粋なつもりでも、人間的な弱さや罪から自由ではありえません。当時の教会指導者であったペテロはパウロをこのように評しています「(パウロの)手紙には難しく理解しにくい箇所があって」(Ⅱペテロ3:16)。一方パウロもペテロを批判しています。「ケファ(ペテロ)がアンティオキアに来たとき、非難すべきところがあったので、わたしは面と向かって反対しました」(ガラテヤ2:11)。ペテロでさえ、仲間からの批判を恐れるあまり、中途半端な態度をとったことがあったのです。だから、自分と他者にあまりに純粋さを求めるのは問題です。
自分は純粋だと思っていると、その人は高慢になり、純粋でないと判断する相手を裁くことになります。純粋さを極端に強調するのがカルトの特徴です。表向きは純粋でないとだめなので内面の不純さを必死に押し殺し、喜びを失います。互いの裁きあいが始まります。大切なのは、神の前での正直さ。心の深いところで対抗意識や自分が認められたいという思いが潜んでいるかもしれない。むしろ、そういう弱さや罪があるから「あなたがたの祈りと、イエス・キリストの霊の助け」(19)を求める態度が出てくるのです。
結び)生きるにも死ぬにもキリスト
あらゆる意味で人間を絶対化せず、神に対して正直であること。一生懸命生きつつも、私たちは、なお誤りを犯し失敗をする不完全な罪人です。それにもかかわらず、私たちには「私はこの者のために十字架についた」という主イエスの紹介状が与えられているのです。生においても死においてもこの紹介状をしっかりいだいて歩みましょう。
前 奏 - キリスト、全世界の慰めよ - J.S.バッハ
招 詞 詩編84編12-13節(下記)
賛 美 讃美歌21-354 天の神、祈ります
主の祈り (「讃美歌21」 93-5-B 日本キリスト教協議会統一訳)
賛 美 - 力に満ちたる - 聖歌隊
聖 書 フィリピの信徒への手紙1章12-21節 (新約p.361)
祈 祷
賛 美 讃美歌21-381 力に満ちたる(1,3,4,5)
黙 想
説 教 「生きるにも死ぬにも」 小野慈美牧師
祈 祷
賛 美 讃美歌21-518 主にありてぞ
献 金
感謝祈祷
聖 餐 式 (「教会の約束」を唱和 )
賛 美 2024年主題賛美歌 作曲:鈴木敦子
祝 祷 小野慈美牧師
後 奏
分かち合い
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12主は太陽、盾。神は恵み、栄光。完全な道を歩く人に主は与え
良いものを拒もうとはなさいません。13万軍の主よ、あなたに依り頼む人は いかに幸いなことでしょう。(詩84:12-13)
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